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第33話  ガラス越しの二人

last update publish date: 2026-07-19 18:00:04

土曜の午後。

朱里は駅前に新しくできた雑貨屋に立ち寄っていた。

特に買いたいものがあるわけじゃなかったけれど、休日の気分転換にとふらりと足を運んだのだ。

(……あ、あのマグカップかわいい)

心が少し和んだのも束の間、店を出て歩き出した時だった。

大通り沿いのカフェの前を通りかかり、ふと視線を横に向けた朱里は、思わず立ち止まった。

ガラス越しに見えたのは、窓際の席に並ぶ二人の姿。

望月瑠奈と、そして──平田嵩。

瑠奈は両手でカップを包み込みながら、楽しそうに身を乗り出して笑っていた。

対する嵩も、頬を緩めて穏やかに相槌を打っている。

(……なに、これ)

頭の中が一瞬で真っ白になる。

ただ同僚同士でお茶しているだけだと、理屈ではわかる。


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